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【筆塗りペインター:せなすけ】のはじまり

・自己紹介!

こんにちは!せなすけです。今回こうして自分のことを書かせていただける機会を与えていただけて、とても嬉しいです。是非この機会に私のこと、そして私がどんな仕事をしているのかを知っていただけたら嬉しいです。

私は大阪生まれ大阪育ちで、人と接するのがちょっと苦手で内気気味な25歳女性です。現在は『YouTuber・筆塗りペインター』として活動をしています。201711月発売号の模型誌「月刊ホビージャパン」でライター(作品を作って解説などを記事とするお仕事)デビューし、その後は主に模型誌で作品を制作・執筆し、専門学校で特別講師を務めたり、「静岡ホビーショー」や「ホビージャパン半世紀祭り」などのイベントでのペイント実演や展示などもさせていただきました。

その後YouTubeメインで活動していくことになりますが、AbemaTV「声優と夜遊び」などの番組に筆塗りペインターとして出演させていただいたり、公式ガイドブック「シタデルカラーの教科書」執筆・作品制作に参加したり、吉本芸人さんとのコラボ動画出演など、さまざまな場で活動させていただいております。お笑いタレント・俳優・粘土造形家の【片桐仁】氏とのコラボ作品なども手掛けさせていただいたり、模型・プラモデル以外の筆塗り塗装にもチャレンジしたりと日々いろいろと新しいことにも挑戦しています。

では私が普段どんな作品を作っているのか、いくつかご紹介したいと思います。まずは公式ガイドブック「シタデルカラーの教科書」に掲載されている作品『カイロス(ウォーハンマー)』と

ウォーハンマー カイロス (せなすけ作)

モータリオン(ウォーハンマー)』です。

ウォーハンマー モータリオン (せなすけ作)

当時まだ発売されていない新しい性質の塗料での制作が条件の作品だったので、試行錯誤しながらでとても大変でしたが、どちらもとても満足のいく仕上がりになりました。

 

そして、こちらもとても苦労して仕上げた作品『リヴァイアドン(ウォーハンマー)』です。

ウォーハンマー リヴァイアドン (せなすけ作)

模型誌のお仕事での作品でしたが、なかなかアイデアが固まらず、失敗もしながら長い時間をかけて挑戦しました。実は失敗がアイデアのヒントになり、初めての塗り方(わざと厚塗りして模様を浮き立たせる)をしたので、掲載される時はご覧になった方々にどう評価されるのかとても怖かったのを覚えています。

 

次にご紹介するのは、私が人生で初めて作ったガンプラ(ガンダムのプラモデル)作品S Dガンダム フェネクス』です。

SDガンダム フェネクス (せなすけ作)

こちらも模型誌のお仕事だったのですが、担当の方からガンプラを筆塗りしてみよう!とお声かけいただきまして、思い切ってチャレンジしてみることにしました。当時ガンプラを一度も組み立てたことがなかったので、ペイント以外の部分もいろいろと苦労しました。

 

そして一番最近の模型誌掲載作品RG 1/144 サザビー』です。

RG 1/144 サザビー (せなすけ作)

掲載される雑誌がガンダムの専門誌だったので、モビルスーツの重厚感や物語を意識して、ガンダム・ガンプラのことが大好きな方が見ても認めてもらえるような作品を目指しました。自分の中でも新たな扉が開いたような作品に仕上がってとても満足しています。

・なぜ筆塗りペインターになったの?

私は大人になるまで筆塗りはもちろん、プラモデルの存在すら知りませんでした。

知るきっかけとなったのは、友人が持っていた本に載っていた“あるミニチュア”を見た時でした。もともと幼い頃から小さなミニチュアのおもちゃ(食べ物とか家具の小さなもの)を集めるのが大好きでしたが、その時本で見たミニチュアがこれまで見たことがないくらいリアルだったのでとてもビックリしたんです。

友人の一言「これ自分で筆で塗ってるんやで。」に、私は衝撃を受けました。『…え?こんなのが自分で作れるの?』と。すぐに欲しくなって調べて手に入れたのが、イギリスのホビーメーカー【ゲームズワークショップ】が販売する『ウォーハンマー』、そして同じメーカーが販売している塗料『シタデルカラー』でした。

『ウォーハンマー』はプラモデル(プラスチック製で組立てる)のミニチュアで、色がついていないので自分で好きな色で塗装して、さらにそれを駒にしてテーブル上でゲームもできる、海外ではメジャーなホビーです。

まずは小さなモデル、あとは必要そうな塗料をいくつかと筆を買って、組立てとペイントをやってみました。知識がなく手探りでしたが、もう塗るのがとにかく楽しくて楽しくて!いくつかの作品を自分なりにいろいろ試しながら作っていきました。そうしているうちにだんだん色んな人に作品を見てほしくなってきて、その時Twitterを始めました。

そしてついには大きな作品にもチャレンジしたくなって、いきなりウォーハンマーではかなりの大型の部類となる『ロードオブチェンジ』というモデルに挑戦しました。それがこちらです。

ウォーハンマー ロードオブチェンジ (せなすけ作)

実際に塗ってみるととんでもない大きさで…。当時は(というか最近まで)極細の筆のみで塗っていたので、完成するまで2ヶ月ほどかかりました。でも完成したときの達成感は本当に大きくて、Twitterでも多くの方に驚いていただけたので、とても嬉しかったです。

後にこの作品は模型誌や海外の専門誌にも掲載していただけて、この作品がきっかけで模型誌「月刊ホビージャパン」の担当の方からライターのお誘いをいただくことになりましたので、私にとって人生に大きな影響を与えた重要な作品です。

この作品の後、初めて報酬をいただいて仕事として「筆塗り」をしていくことになります。海外ホビー『ウォーハンマー』を扱うページが月刊ホビージャパンにできて、そこで作品を掲載していただき、記事を執筆させていただくことになりました。

こちらが初めてのお仕事で制作したデビュー作『スタードレイク(ウォーハンマー)』です。

ウォーハンマー スタードレイク (せなすけ作)

初仕事ということでプレッシャーもすごくて、制作時間も1ヵ月以上かかり苦労しましたが、それだけにとても思い出深い作品です。

ここまで読んでいただくとお分かりだと思いますが、実はほとんど模型の知識もなくライターとして仕事を始めたんです。いざやってみるととても大変でした…。今となっては当たり前のことが何も分からず、ウォーハンマー以外何も作った事がなかったので、泣きながら制作していたことも、責任の重さに耐えられず辞めようとしたこともありました。

趣味で作っていることと、締切があり仕事として作ることはまるで違いました。ですが、掲載されたときの達成感は素晴らしいですし、作品をご覧になった方に褒められたり筆塗りの楽しさが伝わった瞬間はとても嬉しくて、それがまた次の作品のモチベーションへと繋がっていくんです。

・そしてYouTuber

やがて作品を作り続けるうちに、今より筆塗りの楽しさを伝えられる方法はないかなと考え始めました。誌面やTwitterだと写真と文章だけなので、なかなか塗料の薄め具合や筆の動かし方、細かいニュアンスが伝わっていない気がしていたんです。あとは昔の自分のようなプラモデル自体を知らない人たちに楽しさを伝える方法はないのかな?…と考えたときに思いついたのがYouTubeでした。

動画なら詳しく細かなニュアンスも伝えられるし、文章だけでは伝わらない部分もうまく伝えられるのでは?と思い、早速YouTubeでの活動を開始しました。自分なりにいろいろと見せ方や伝え方は試行錯誤してきましたが(というか今もしていますが…)、現在は通常の動画と生配信の2種類の配信方法で活動していて、視聴者の方々にお伝えしたい内容によって使い分けています。

YouTubeは幅広くいろんな方に視聴してもらえる可能性があるため、①誰が見ても分かりやすいように専門用語は極力使わない②内容が分からなくても楽しさが伝わるようにアクションや表現を大きくする③扱っている物に対して否定的なことやネガティヴなことは言わない、という点を意識しています。

そして何度も見返してもらえるようなこと(塗装テクニックの紹介など)や、細かなところまで正確に見せたい時(筆のタッチや塗料の薄め具合など)は、編集できっちりまとめた通常の動画を公開する事が多いですテンポ良く、気持ちよく視聴できるようにするのも大切なポイントだと思います。

 

では生配信はどうかというと、リアルタイムで視聴者の皆様の声をお聞きしながら、そして質問にお答えしながら、ノーカットで見せる事ができるのが魅力です。視聴者の皆様と同じ時間を共有することができるのも楽しいですし。

デメリットとしては、YouTube側の障害が起こることが多々あり、画像が乱れたり止まったりすることもあるため、細かな部分を正確に見せるには向いていないところがあります。あと動画の時間自体が伸びてしまいがちなので、繰り返しの視聴には向かない動画になります。(後から編集することもできるので、うまく活用するといいかもしれません。)

 

どちらの場合も視聴者の立場に立って考え、どんな風にしたら伝えたいことを「正確に楽しく見せられるのか、知識がない方が見ても興味を持ってもらえるのか」が大切だと思いますので、作った動画を何度も見返したりしながら、自分なりの工夫を日々重ねています。

・私の色彩感覚

「美術系の学校出身ですか?」「小さい頃から絵を習っていたんですか?」と、私の作品をご覧になった方によく質問されますので、その辺のお話をしていきたいと思います。

幼い頃から絵を描くことは嫌いではなかったですが、特別得意ということもありませんでした。どちらかというと自分ではあまり上手くないと思っていて、あまり人に描いたものを見せるということはなかったです。あと、絵を描くときに色はほとんど塗ることはなく、モノクロの絵ばかり描いていました。

きっかけはよく覚えていないのですが、色を塗るのは苦手だとずっと思っていました。学校の授業も人に作品を見られたり評価されるのは嫌だったので、目立たないようなものや馬鹿にされなさそうなものを作っていました。

こんな幼少期だったので、美術を学びたいと思うことなどあるはずもなく、美術系の学校に進むこともありませんでした。そして筆塗りや模型を仕事にするなんて夢にも思っていませんでした。

作ることや塗ること、何もかもウォーハンマーのミニチュアに触れてからがスタートだったので、ライターの仕事をさせていただいた頃はまだ半年〜1年ほどしかプラモデルの経験がなく、本当に私のペイントした作品が皆さんに評価されるのか、喜んでいただけるのか、ずっと不安でいっぱいでした。

そんな気持ちもあり、最初のうちはとにかくたくさん知らなきゃ!と思い、いろいろな絵画や生き物の画像などをネットで検索したり、実際に美術館などに足を運んで、とにかくたくさんの色を見て学んでいきました。(今も美術館や博物館には足を運んでいます。)そして、アイデアをしっかり固めてから作品作りを開始していたんですが、そのうちあることに気づきます。

塗装前のモデルを手に持った瞬間になんとなくイメージが頭をよぎるんです。悩んだ末、一度そのイメージ通りに塗ってみようと決めて制作したところ、今までとは違うとても満足のいく作品ができました。それがこちらの『赤きマグヌス(ウォーハンマー)』です。

ウォーハンマー 赤きマグヌス (せなすけ作)

この作品を制作した後からは、実際にモデルを手に持ってみて、自分の感覚とモデルで対話して方向性を決めるようにしています。

では、全て直感だけで色を決めているのか?と言われると…実はそうではなく、モデルごとに色の置き方や比率のバランスと色同士の相性、そしてこの作品のどこを見せたいのか?なども意識しています。全てを完璧にして、全部を見て欲しい!とするのではなく、ポイント(作品のウリとなる部分)を決めてそこから色の配置やバランスのイメージを広げていきます。

モデルには作った方(造形師さんなど)の気持ちや拘りが込められていて、「ここを見て!」と訴えているので、それも感じつつまずどこを一番に見せたいのか、それからどの順番で見る人の視線が移っていくのか、見る側の視点に立って考えていきます。こんなお話をすると難しく感じるかもしれませんが、基本的にはモデルの魅力を引き出すポイント部分の色が決まったら、その隣には何色…という感じで広げて決めていくと決めやすいです。

理由があって決まる色や塗り方もありますが、やはり一番大切なのはモデルと向き合った時に感じる直感というか感覚だと思います。自分の気持ちに素直になって作品作りを楽しめたら、最高に没頭できて楽しいですよ!

今回は私が筆塗りペインターになるまでのことを中心に書かせていただきましたが、楽しんでいただけましたでしょうか?自分自身まだまだ未熟なので、これからも新しいことに挑戦してさらに視野を広げて、より自分が満足できて皆様にも楽しんでいただける表現ができるようになっていけたらと思います。初めてこのようなエッセイを書かせていただき、とても楽しかったです。貴重な機会を与えてくださったカートイワークス様、そしてこの記事を最後まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます!これからも応援していただけるととても嬉しいです。

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せなすけ

せなすけ

1994年生まれ。筆塗りペインター/YouTuber。2017年11月発売号『月刊ホビージャパン』で作例制作・ライター活動開始。プラモデルやフィギュア・ガレージキットなどを塗装する楽しさを広げるため、イベント・T V番組・学校などで塗装実演や講師を務め、現在はYouTuberとしても活動中。公式ガイドブック『シタデルカラーの教科書』を共同執筆・作例制作。 ・Instagram:senasukepainter ・Twitter:@I2Po3QMEtZd19wr ・YouTube:せなすけのYou Tube
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