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車両展示用ミニジオラマを作る【前編】~地面の制作~

みなさん、こんばんは。居眠富士狐です。

前回、前々回とNゲージの車両本体を加工する工作をしてきましたが、せっかく手を加えた車両をケースにしまっておくのは少し勿体ないですよね?「役者」を引き立てるためには「舞台」が必要です。今回はそんな作った車両を飾るためのミニジオラマを製作したいと思います。

今回は前回とは違いエアブラシを使用して制作を進めます。工夫次第ではエアブラシを使用せずに工作を進める事もできますが、使用したほうが工作の幅が広がります。初期投資が掛かりますが、長期的に見れば缶スプレーよりもコストパフォーマンスは低いうえに、経済的です。

例えば私はMr.ホビーのL5コンプレッサーとダブルアクションタイプのセット(定価4.5万円程度)を購入し、かれこれ10年以上使い続けています。今もなお、現役です。長期的に使うことのできるエアブラシは高価な製品です。とはいえ、初めて使う製品なので踏ん切りがつかない、とお悩みの方もいると思います。そんな方にオススメしたいのが、低価格な入門機です。最近は1万円台のモデルも十分に使うことができます。

前置きはさておき、今回のジオラマで使用するベース製作から解説いたします。

1.ベース制作

ダイソー製 フラット台座 16.9×8.5×10cm

今回のミニジオラマは100円ショップで購入したコレクションケース内に作ります。

なぜケース内に作るのかと言いますと、ジオラマは可能な限りケースの中にしまって埃から守りたいからです。

模型にとって埃は天敵。掃ったり吹き飛ばせたりできれば問題ないのですが、ジオラマになると木や草の表現のスポンジや繊維に埃が絡みついたり、掃除の時にそれらを一緒に吸い込んでしまったりとなかなか大変です。

今回使用したケースは近所の100円ショップのダイソーで売っていた「コレクションボックスミニ」という商品です。おそらく、どちらのダイソーでも販売されていると思います。お近くにダイソーがある方はぜひ探してみてください。

 

3mm厚のスチレンボード

早速地面を制作していきたいところですが、コレクションケースの台座はプラスチック製で加工が難しいので、台座を元に模型店で購入してきた3mm厚のスチレンボードをカットしてベースの板を作ります。情景はこの上に作っていきます。

 

鉄道コレクションに付属している展示用レール

次にレールを設置します。今回は鉄道コレクションに付属している展示用レールを使用します。鉄コレをNゲージ化すると余るこのレール…、家にたくさん余っている方も多いのではないでしょうか??

 

必要に応じてカットして貼り付けたら、線路以外の部分の地面を3mmのスチレンボードを貼り付けてかさ上げします。

接着はある程度強力なスプレー糊を使いました。文字通りスプレーするだけで糊が散布でき便利なのでよく使います。

 

2.シーナリー制作

鉄道コレクションに付属している展示用レールを情景テクスチャーペイントで塗装する様子

建物が来る部分にプラ板で作った基礎部分を貼り付けた後、下地を塗っていきます。

これはタミヤ製の「情景テクスチャーペイント」という商品で、中に細かい粒が入ったペースト状の塗料です。塗るだけで土や砂地、路面などの表現ができます。

ただし、基本的にはミリタリーなどのスケールの大きな模型の情景に使う塗料です。1/150で使用する場合は均一に塗りましょう。そうでないと砂場のようなデコボコな地面になってしまいます。

私の場合は100円ショップで買ってきたバターナイフで塗りつけます。左官さんになりきった気分で塗ると上手に塗れますよ。(笑)

 

鉄道コレクションに付属している展示用レールにバラストを撒く様子。

乾いたらバラストを撒きます。レールや枕木が埋まってしまった場合、刷毛で均したりレール部分を棒で軽く叩いたりして整えます。

 

鉄道コレクションに付属している展示用レールにバラストを撒き、固着させる。

バラストを固着させていきます。霧吹きでバラストを湿らせた後、ボンドを水で割ったものに中性洗剤を数滴加え、スポイトで垂らします。

中性洗剤を加えることによって、ボンドを加えた時に表面張力でバラストがダマになってしまうのを防ぎます。さらに馴染みやすくする為に、あらかじめバラストの表面を濡らしておくとよいでしょう。

 

バラストを撒く際に表面を濡らすなど工夫しなかった場合に、バラストを撒いた様子。

中性洗剤を加えることの効果を測定するために、少し実験をしてみました。バラストに霧吹きせず、水で割ったボンドに中性洗剤を混ぜないまま垂らすとバラストがダマになるのが一目瞭然です。

 

バラストを撒く際に表面を濡らすなど工夫しなかった場合に、バラストを撒くと流れてしまう。

しばらくするとボンド水溶液は浸透しましたが、バラストが少し流れてしまいました。これではバラストがデコボコになってしまい残念な仕上がりに…。

素敵なジオラマ作品に仕上げるには、霧吹きでバラストを湿らす&水割りボンドに中性洗剤を加えることをお勧めします。

 

レールにボンド水溶液を垂らし終わった状態。

ボンド水溶液を垂らし終わりました。溜まってしまった液体は、綿棒に染み込ませて取り除いておきましょう。

 

建物の基礎部分を塗装する。

ボンド水溶液が乾いたら、適当な灰色で建物を配置する場所に張り付けた基礎部分を塗装します。よく考えるとテクスチャーペイントを塗る前に塗装したほうが効率が良かったような気がします。この発見は次回に活かしたいと思います。

 

レール周りのウェザリングをしながら、未塗装の枕木とレールを塗装しました。

レールの周りをウェザリングするついでに未塗装だった枕木やレール部分に色を乗せます。使用塗料はMr.カラー22番ダークアースです。

このグラデーションはエアブラシでしか描くことができません。エアブラシがない場合は、あらかじめレールと枕木を塗装した後に茶系のバラストを撒くとそれらしくなるでしょう。

 

レール部分を緑化するために、濃いめのボンドで下地を作ります。

草を生やし緑化していきます。濃いめのボンド水溶液を筆で塗りつけます。

 

レール部分の雑草として、今回はKATO製日本の草はらシリーズを使用しました。

今回は雑草としてKATO製日本の草はらシリーズを使用します。

この商品は2mm程度の細かい繊維で専用のボトルの中でシェイク、静電気を起こすことで繊維を立たせたまま散布でき、よりリアルな草を表現できる商品です。

ちなみに私は100円ショップで見つけてきたKATO製の専用ボトルと同じ素材の容器に入れて使っています。

 

レール部分の余分な雑草を取り払いました。

シェイクしながら散布して乾いたらジオラマをひっくり返して余分な草を落とします。

 

レール部分の草の色のバリエーションを増やすために、今回は萌黄色を使用します。

草の色が一色だと不自然なので別の色も加えます。こちらは「萌黄色」です。まだらな感じになるように撒きます。

 

撒き終わりましたが、ボンドがまだ乾いいないので白色が浮いています。

撒き終わりました。ボンドがまだ乾いていないので、不自然な白色が浮き出ていますが問題ありません。

 

余分な雑草を掃除機で取り除き、雑草部分の完成です。

完全に乾いたら今度は掃除機で余分な草を吸い取ります。

いかがですか? なかなかリアルな雑草でしょ?

 

今回はここまでです! 車両展示用ミニジオラマを作る【後編】では建物などの人工物の制作と全体の完成までをご紹介します。お楽しみに!!

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1995年広島県生まれ、幼いころNゲージを親戚にもらうが当時は地元の電車がまったく製品化されておらず、なければ作る理論で地元の鉄道模型専業模型店の店主さんに模型工作のイロハを教えてもらい、気づけば鉄道模型モデラーに。たまに模型雑誌に執筆したりも。 メインブログのイナリ工機もよろしくお願いします。
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