ミニカー コレクター × カートイワークス

【第7戦 カートイワークス グランプリ】石黒智樹 様(後編)

フリーランス編集者・ライターの石黒智樹(いしぐろともき)です。私が歩んだクルマ・模型人生と特に好んでいる劇中車のお話の後編です。
▶前編はこちら


初めて所有したアメ車である1978年モデルの「フォード・マスタングII

■初めてのアメ車は「フォード・マスタングII」

ネコ・パブリッシングに入社したおかげで、趣味のクルマに関しては非常に恵まれた環境にあり、ほぼヨーロッパ車に乗っていた私ですが、ある日、あるアメ車に出会ってしまいました。当時、ヤフオクすらない時代、ネコ・パブリッシングで発行していた個人売買情報誌「クアント」に、1978年モデルの「フォード・マスタングII」が9万円で売りに出されていたのです。これを見た瞬間、頭に浮かんだのがアメリカのTVドラマ「チャーリーズエンジェル」でケリー・ギャレット役のジャクリーン・スミスが乗っていたマスタングIIギアでした。私は、小さい頃から親と一緒にテレビでアメリカの映画やドラマをよく見ており、最初のミニカーがホットウィールだったこともあって、スーパーカーブームを体験する前からアメリカンカーカルチャーが深く刷り込まれていたのです。


昭和の応接間のように居心地の良いインテリア

マスタングIIは、特にハイパフォーマンスなマッスルカーなどではなかったのですが、アメ車らしいボディとインテリアのデザイン、55マイル=90km/h以上出す気にならないゆる~い乗り心地と操作感、ラフに踏んでもドドドと力強い302cu:in=5リッターV8エンジンと、すっかり気に入ってしまいました。最初はグリーンのボディカラーだったのですが、後に「1/1ホットウィールを作る!」という「デイトナ」の企画で編集部から頼まれて、ゴールドに全塗装されました。


理想の1台であった1967年モデルの「フォード・マスタング・ファストバック

■「ブリット」劇中車のクローン「フォード・マスタング・ファストバック」

すっかりアメ車党になった私は、雑誌の広告で理想の1台を見つけます。それが、1967年モデルの「フォード・マスタング・ファストバック」。あの有名な「ブリット」でスティーブ・マックイーンが乗っていた劇中車である1968年モデルとほぼ同型です。ボディカラーも同じハイランドグリーン。ただし、純正ではなく塗り替えたようですが。

また、劇中車では390GT=6.4リッターV8のマニュアルでしたが、これは289cu:in=4.6リッターV8のATでした。そこから劇中車のクローンにしようと、ACコブラなどに搭載されている4速マニュアルのトップローダーに載せ換え、ホイールをトルクスラストに履き替え、バッジ類を外したのですが、それだけではおもしろくないので、サイバー化するのだと言いながら、ヘッドライトをHID、メーターをダコタデジタル、インダッシュナビ、バイパーセキュリティを装着するなどしてカスタム。

この模様は、「カー・マガジン」と「デイトナ」の長期レポートとして連載していました。しかし、チューンしていたエンジンが壊れたのを機に、都会でも毎日の足として耐え得るよう、5リッターH.O.エンジンやAT、エアコン、補器類を’90年代マスタングから移植してアップデートするカスタムである「ハイテック」化することを決意、状態が良くなかったボディとインテリアのレストアもついでに行うべく、工場に長期入庫となりました。


熱海の不動産屋が乗っていそうな「メルセデス・ベンツ280CE


気に入って7年間乗っていた「キャデラック・エルドラド・ツーリングクーペ

■もうアメ車しか乗りたくない

マスタングの入庫中に足とするべくクルマでも、もうアメ車しか乗る気になりませんでした。

2.3リッター直4ターボ+マニュアルを搭載した1984年モデルフォード・マスタングSVO」、3代目の1984年モデルシボレー・カマロ・スポーツクーペ」、ここでなぜか縁があって1979年モデルの「メルセデス・ベンツ280CE」に乗るのですが、ネコ・パブリッシングを退社してフリーランスになってからも、1994年モデルリンカーンMk.VIII」、ヤマハの3.4リッターV8 DOHCを搭載した1996年モデルフォード・トーラスSHO」、1996年モデルキャデラック・エルドラド・ツーリングクーぺ」と、アメ車三昧を堪能しています。


amt 1/25「0011ナポレオン・ソロ アンクルカー」(製作:畔蒜幸雄氏)
amtが製作した実車であるレーシングカー「amtピラニア」をベースに、ジーン・ウィンフィールドが手掛けた劇中車

エンジンは、シボレー・コルベア用の空冷フラット6を搭載

パッケージバリエーション。真ん中の箱は、スピンオフ「0022アンクルの女」版

■ハリウッド映画劇中車=アメリカンカスタムカーカルチャー

その昔より、ハリウッド映画の劇中車は、アメリカ西海岸のカスタムカービルダーが製作していました。ジーン・ウィンフィールドは「0011ナポレオン・ソロ」の「アンクルカー」、「ブレードランナー」の「ポリススピナー」、「処刑ライダー」の「ターボ」、「ロボコップ」の「9000SUX」など、ジョージ・バリスは「バットマン」(TVドラマ)の「バットモービル」、「刑事スタスキー&ハッチ」の「赤い稲妻」、「ナイトライダー」の「ナイト2000」、「ゴーストバスターズ」の「ECTO-1」など、ディーン・ジェフリーズは「グリーン・ホーネット」の「ブラックビューティ」、「ザ・モンキーズ・ショー」の「モンキーモービル」、「地球が燃え尽きる日」の「ランドマスター」などを製作。ハリウッド映画の劇中車は、アメリカンカスタムカーカルチャーそのものなのです。


最初に「ブリット」を模型化したと思われるレベル1/25ダイキャスト製組立キットの「フォード・マスタング」と「ダッジ・チャージャー

■劇中車模型コレクション

そして、私は、劇中車に興味を持ち、実車だけでなく、模型も集めるようになりました。最初はプラモデルやアメリカントイの一種としてのアイテムしかリリースされていませんでしたが、ミニカーブームによって、あらゆるミニカーメーカーから劇中車のミニカーが発売されるようになり、マテルホットウィールのラインとして、かなりのラインナップをリリースしています。ここでは、私の劇中車模型コレクションの一部をご紹介いたします。


レベル1/25「’68フォード・マスタング」


レベル1/25「’68ダッジ・チャージャー」
前出の完成品フィギュア付き版。マスタングにはスティーブ・マックィーン扮するブリット刑事が、チャージャーにはスタントマンのビル・ヒックマン扮する運転手と白髪の殺し屋が乗っています。


レベル1/64「’68フォード・マスタング」


レベル1/64「’68ダッジ・チャージャー」


ミニチャンプス1/43「フォード・マスタング“ブリット”1968」
世界限定3333個


オートアート1/18「スティーブ・マックィーン・アズ“ブリット”」
劇中車のボディカラーであるハイランドグリーンはメタリックですが、これはなぜかソリッド。出来が良いだけに惜しい!


コーギー1/43「ブリット」
007シリーズなどと同様のフォーマットであるフィギュア付き


ヤトミング1/43「1968マスタングGT」
他にもグリーンライトやレーシングチャンピオン、アメリカンマッスルなど、とにかくもうお腹一杯な程、あらゆるメーカーがあらゆるスケールでミニカーをリリースしています


キリン・ファイア1/72「マスタングGT390(1967)」
缶コーヒーのオマケでこんなのもありました。しかし「ブリット」ではなく、あくまでもフォード・コレクションとしての1台


アーテル1/64「ブレードランナー」
「ブレードランナー」映画公開当時に発売された唯一のオフィシャル立体アイテム。「ポリススピナー」は「デッカーズチェイススピナー」となぜか「レイチェルズスピナー」と名付けられ、「デッカードセダン」は「デッカーズグラウンドカー」、「アルファロメオスピナー」はなぜか「ブライアンツポリススピナー」と名付けられています。ブリスターカードでの単品売りもありました


メディコムトイ ミラクルアクションヴィークルNo.1「バック・トゥ・ザ・フューチャーII フューチャーカー」
現在、「ブレードランナー」の立体物の商品化権は複雑で取得が難しい鬼門であり、このトイは、ポリススピナーの劇中車が「バック・トゥ・ザ・フューチャーII」に登場する未来のクルマとして流用されたことを利用しての執念の商品化。エライ!


ワーナー「ブレードランナー」コレクターズボックス
なぜか立体物でも映像ソフトのオマケであれば商品化が許可されるようで、これはブルーレイに前出のメディコムトイ製フューチャーカーがポリススピナー仕様となって付属。祝!


フジミ1/24「スピナー」
こちらは、博物館などに展示されている実車のプラモ化?という体裁で「ブレードランナー」の名前が一切使用されていません。他にも、同じくシド・ミードがデザインした「デッカードセダン」「ポリスカー」もラインナップ。しかし、現在、フジミのホームページからは3台共消えています。黒歴史化?


JRL 1/18「バック・トゥ・ザ・フューチャー ラジオコントロールカー」
アメリカントイブーム前夜の当時物


ユニバーサルスタジオ1/43「バック・トゥ・ザ・フューチャー」


ユニバーサルスタジオ1/64「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
‘90年代にアメリカのユニバーサル・スタジオ・ハリウッドのお土産屋で購入したオフィシャルアイテムですが、モールドが溶け溶けでお粗末な出来


ジョニーライトニング1/64ハリウッドオンホイールズ「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
プレイングマンティス社の「ジョニーライトニング」ブランドは、比較的初期から「ハリウッドオンホイールズ」シリーズとして、劇中車をミニカー化していました


ホットウィール1/64「バック・トゥ・ザ・フューチャー」
ジョニーライトニングから遅れて、マテル社も「ホットウィール」ブランドで有名な劇中車をミニカー化しました


オートアート1/18「マッドマックス2ザ・ロードウォリアー インターセプター」
オートアートは、インターセプターをいつものように良い出来でミニカー化。フロントバンパーが磁石で取り外し可能な他、充実したアクセサリーや「ザ・ドッグ」のフィギュアまで付属しています


オートアート1/18「フォードXBファルコン・チューンドバージョン・ブラックインターセプター」
「マッドマックス」1作目の版権もまた鬼門で、これはベースとなったフォードXBファルコンの改造車という体裁でミニカー化。「2」のインターセプターとは異なり、再設計したという拘り!


オートアート1/43「マッドマックス2ザ・ロードウォリアー インターセプター/エネミーカー」
オーストラリアのフォード・ランダウをベースとした敵の暴走族のクルマもミニカー化


ミニッツレーサー/スカイネット1/27「マッドマックス2ザ・ロードウォリアー インターセプター」
京商のラジコンブランド「ミニッツレーサー」と「マッドマックス2」の版権を取得したアオシマのキャラクターモデルブランド「スカイネット」のコラボアイテム


アーテル1/43「バットマン バットモービル」


アーテル1/64「バットマン バットモービル」
アーテルも初期からミニカーを発売していますが、トイ然としたあまり精密ではない出来


バンダイUSA「バットマン ハイスピードモーターライズド・バットモービル」
これは珍品!1/72程の小スケールのボディにプルバックで走ります


ホットウィール1/64「バットモービル」
ホットウィール」のベーシックカーでもミニカー化


ホットウィール・エリートシリーズ1/18「バットモービル」
さすが高級ラインの「エリートシリーズ」。素晴らしい出来です!


ホットウィール・エリートシリーズ1/64「バットモービル」
こちらは、シールドとなるコクーンが付属


アーテル1/24「ナイトライダー ナイト2000」


アーテル1/64「ナイトライダー ナイト2000」
これもトイ然としたあまり精密ではない出来


スカイネット1/18「ナイトライダー K.I.T.T.」
アオシマのキャラクターモデルブランド「スカイネット」がミニカー化。ナイトフラッシャーの点滅はもちろん、テレビ吹替版の野島昭生氏の声が収録されている日本ならではのトーキング機能が素晴らしい!


ケナーパーカージャパン1/18「ナイトライダー マイケルナイト」
こちらは、トーキングトイに乗せるフィギュアの日本版パッケージ。デビット・ハッセルホフに微妙に似ているヘタウマ加減がアメトイらしくてナイス!


ジョニーライトニング1/64「ゴーストバスターズ」
1作目の’59キャデラックをベースとした劇中車をミニカー化


ジョニーライトニング1/64ハリウッドオンホイールズ「スタスキー&ハッチ」
「刑事スタスキー&ハッチ」に登場する’76フォード・グラン・トリノをベースとした「赤い稲妻


ジョニーライトニング1/64ハリウッドオンホイールズ「ナッシュ・ブリッジス」
クルマにかなり拘った刑事ドラマ「ナッシュ・ブリッジス」に登場する、実車の世界ではかなりレアな’71ヘミ・クーダ・コンバーチブル


ファクトリーエンターテイメント1/50「グリーン・ホーネット ブラックビューティ」
古くはオーロラのプラモデルやコーギーのミニカーからジョニーライトニングなどもリリースされています


マイスト1/24「スペシャルエディション」
SF映画「マイノリティ・リポート」に登場する「レクサス2054」なのですが、映画の版権は取得していない模様


モノグラム1/25「マイアミ・バイス デイトナ・スパイダー」
実車はシボレー・コルベットのV8エンジン、シャシーにFRPボディを架装したレプリカですが、これはこれでアメリカンなカッコよさがあります


モノグラム1/25「マイアミ・バイス フェラーリ・テスタロッサ」
こちらの実車は、フェラーリ社から供給された本物


amtアーテル1/25「ロボコップ2 ロボ1ポリスカー」
実車をマットブラックに塗って乗りたくなりました


バンダイ1/16「メガフォース メガ・クルーザー」
米・香港合作の戦隊映画「メガフォース」に登場する劇中車が、唐突に模型化。なぜかシャシーにジェラルミンを使用。ホットウィールでもミニカー化されていました


amt1/25「ファラズ・フォクシーベット」
これは劇中車ではありませんが、ジョージ・バリスがハリウッド女優ファラ・フォーセットのオーダーでカスタムしたシボレー・コルベット。カスタムビルダーは、富裕層のオーダーによるカスタムカーも製作していたのです

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石黒 智樹

石黒 智樹

1968年、神奈川県生まれ。1992年、大学を卒業後、出版社「ネコ・パブリッシング」に入社し、「カー・マガジン」編集部などに在籍。2007年にフリーとなり、おもちゃ雑誌「クアント」編集部に参加。自動車・模型関連だけでなく、「スター・ウォーズ」などの映画、「ウルトラマン」「ガンダム」などの特撮・アニメ関連の編集・執筆も手掛ける。愛犬は、「マッドマックス2」に登場するオーストラリアンキャトルドッグ「ザ・ドッグ」の1/1プロップレプリカ。
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