今回は前回のやすり掛け編に続く「合わせ目消し編」となります。
ガンプラを作ったことのある、YouTubeなどのSNSでガンプラ制作の動画などを見ているという方はよく耳にする言葉ではないでしょうか。
合わせ目消しと聞くとどうしてもハードルが高く聞こえ、なかなかチャレンジできない人も多くいると思います。
今回はそんな方に向けて合わせ目消しの第一歩を踏み出せるよう、合わせ目消しを徹底解説していきたいと思います!
実際に作業を行った様子の画像と共にご紹介していくので、初めての方でもマネしながらチャレンジできると思います。
それではさっそく合わせ目消しをやっていきましょう!
合わせ目消しとは
合わせ目消しはパーツを組み立てた際に生じる継ぎ目や隙間を消していく作業を指します。画像の赤い枠が合わせ目がある状態で、青い枠が継ぎ目を消したものになります。
ファンからすると本来の設定にはない、必要のないものが存在しているというのは気持ちの良いことではありません。また、合わせ目があるとどうしても「おもちゃ感」というものが出てしまいリアリティに欠けるんですよね。
なので、少しでも完成度が高くリアルな作品を作るために合わせ目消しという作業を行います。
現在は技術の進歩により合わせ目が少なくなってはいますが、完全には無くなっていないのでこの作業は覚えておいて損はないかと思います。
必要な道具
今回行う「合わせ目消し」には主に3つの道具が必要となります。
1.接着剤
2.デザインナイフ
3.やすり
この中でも最も重要なのが接着剤です。合わせ目消しというのはパーツとパーツを接着し線を消していく作業なので、接着剤が無いと何も始まりません。
なお、上記の一覧でデザインナイフが必要と記載しているのですが、こちらに関してはあると便利ですが絶対に無くてはならない道具ではないので、お財布と相談して準備してみてください!
最後にやすりですね。やすりについては前回の記事で詳しくご紹介していえるのでそちらを参考にしていただけると嬉しいです!
それでは道具についてもう少し詳しく見ていきましょう!
接着剤
接着剤はかなり多くの種類が発売しており、初めは何を買ったら良いかわからないですよね。そんな初めての方にオススメしたいのがタミヤのプラスチックモデル専用接着剤、通称セメントです。
タミヤのセメントはジェル状の接着剤となっていて塗布した表面を溶かすことでパーツ同士を接着します。そのため合わせ目消しをした際に全く線が残らないんです。
なお、タミヤの接着剤の中には速乾流し込みタイプも存在し、こちらはパーツ間に接着液を流し込むことで表面を溶かしパーツを接着することができます。しかし、速乾流し込みタイプは速く乾くというメリットがある一方でセメントに比べるとプラスチックを溶かす能力が少し低く、稀に合わせ目が残る時があります。
なので個人的には白い瓶が目印のプラモデル用接着剤(セメント)を使うのをお勧めします。
やすり
こちらに関してはやすり掛け編で準備した各種やすりに加えて、タミヤの『ベーシックヤスリセット』もしくはダイソーの『ダイヤモンドやすり 3本セット』を準備いただけたら問題なく作業ができると思います!
デザインナイフ
今回はOLFAから出ている「アートナイフプロ」を使用するのですが、TAMIYAから出ているモデラーズナイフや100均などのデザインナイフでも全く問題ありません。
また、上記でも説明した通り今回の作業においてデザインナイフは絶対に必要な道具ではありません。
【100均のデザインナイフ】
さて、必要な道具が準備出来たらさっそく作業に移りましょう!
合わせ目消しの流れ
STEP1:パーツの確認&ダボ処理
まず、説明書に従い一度組み立てを行います。この際、後に分解を行うので「ダボ処理」という作業を行いパーツを分解しやすくしておきましょう。
ダボ処理
ダボ処理はパーツを分解しやすいように突起を削ったり切ったりすることを指します。この処理は塗装や改造をする際にも使われる基本テクニックとなっており、覚えておいて損はないと思います。
作業での注意点はダボを削りすぎないこと、これに尽きます。削りすぎると位置合わせが上手くいかなかったり、パーツがゆるゆるになってしまうんですよね。
パーツ同士を簡単に外せるけど逆さにしてもパーツが落ちないくらいに仕上げることをお勧めします。
ダボの処理前と処理後を比較するとこのような感じです。右のパーツの方が穴が少し大きくなっているのが分かるかと思います。
STEP2:接着剤塗布
ダボ処理が終わり、合わせ目消しの準備ができたらついに接着です。接着するパーツに溶剤を気持ち多めに塗布します。溶剤が塗れたら少し時間(約30秒)を置いて、パーツの表面が溶けたことを確認し、慎重に位置を合わせを行ない接着します。
この際にパーツ同士をしっかり押さえてパーツの間から溶けたプラスチックが「むにゅっ」と飛び出すようにしましょう。
上手に「むにゅっ」できましたか?
上記の画像のように溶けたプラスチックがお外側にはみ出していれば接着成功です!
STEP3:カット
接着剤が固まったら、パーツからはみ出した部分をデザインナイフを使って削っていきます。デザインナイフが無い場合はSTEP4のやすり掛けに進んで問題ありません!
カットは深く削りすぎずに少し残す感じの方が失敗せずに次のやすり掛けへとつなげることができます。
STEP4:やすり掛け
STEP4では接着した際に飛び出た部分を削っていく作業になります。まずは400番~800番のやすりで段階的なやすり掛けを行っていきましょう。以前のやすり掛け編でもご紹介した通り、一方向に優しく削っていくと綺麗な仕上がりとなります。
STEP5:仕上げ
最後は仕上げになります。1000番以上のやすりで表面をきれいに磨いていきましょう。ここでは1000番から2000番あたりのやすりを使うと綺麗に仕上げることができます。
最後に膝のパーツを付けて合わせ目消しをしたものとしていないものを比較してみましょう。
最初に合った大きな線が消えていておもちゃ感がかくなりましたよね?これで合わせ目消しの作業は全て終わりとなります。
お疲れ様でした!
まとめ
今回は、以前にやすり掛けを行った「ENTRY GRADE 1/144 RX-78-2 ガンダム」を使って「合わせ目消し」について解説しました。本来ガンプラを作るという面では必要のない合わせ目消しですが、その必要のない作業にたくさんのロマンが詰まっています。
合わせ目はガンプラテクニックの中でも簡単に行える作業のひとつなので、少しでも興味が沸いたらこの記事を参考にワンランク上のガンププラ制作をしていただけたと思います。
次回はスジボリとその応用として段落ちモールドについてご紹介するので、ぜひカートイワークスのX(旧Twitter)やホームページをチェックしてみてください!